The Greyboy Allstars / Left Coast Boogaloo2013.7.23
大学1年生の時、少しの間だけ音楽サークルに所属していました。
そのサークルはレベルが高いことで有名だったのですが、新入生歓迎ライブで一目惚れ。
ひとつのコピーバンドがゆらゆら帝国の『グレープフルーツちょうだい』を演奏していたのですが、ちょっと前までウブな高校生だった私を魅了するには十分すぎるものだったのです。
悩むこと無く「大学生活はこのサークルにかけよう!」と意を決して入りました。
しかし、私には秀でて演奏できる楽器が無い。
強いて言えば幼少期からピアノを習っていた、ということのみ。
ですがその時の私は勢いがよかったのか、それだけでどうにかなる!と根拠の無い自信があったのです。怖い。
訪れた新入生歓迎のBBQの日。
低い対人スキルを最大限に出し、1人の先輩と仲良くなることが出来ました。
そしてあれよあれよと言う間にバンドを組むことになってしまったのです。丁度キーボードを探していたらしく、目を付けられたのでした。
こともあろうに、ジャンルはファンク!
当時の私にとったら未知のジャンルです。なんかカッコいい音楽!くらいのレベルです。
しかしやると決まったからにはやらねばならぬ・・・不安と期待と不安。
ある日その先輩に呼び出され、手渡された1枚のCD。
The Greyboy Allstarsって書いてある。ファンクのバンドらしい。
私とそんな歳が変わらないのに、こんなカッコいい音楽を聴いてる先輩カッコいい!とかのんきに思ってました。
しかし、その場で音源を聴かせてもらっているうちに状況の大変さを理解しました。なんだこの曲のは。
せめてスコアが欲しいです、先輩。それがあったらなんとかなる、なんとかします。
「無い!だから大体でいいから耳コピして。ソロのところは適当でいいから!セッションみたいに軽く思ってくれたらいいよ〜」
これは大変なことになった。
耳コピとか生まれてこのかたしたことが無い。
今から思うと曲自体も単純な構成で、演奏できるかという部分を抜いたらそこまで難解な曲ではない気がします。
だけど全てが未知だった私からしたら見上げる程に高いハードルだったのです。先輩達が大人に見えて仕方なかった。
そしてその日から地獄。
曲を聴いては楽譜に起こす、その作業に追われました。
大学生のサークルってこんなに大変なのか・・・。
週に1度スタジオで練習があったのですが、その度に胃が痛いのなんのって。
なんとか帳尻合わせてついて行くことは出来ましたが、とても楽しそうに演奏しているようには見えなかったと思います。
そして避けられない一番の難関、ソロパート。
適当に、って言ったって、そんなの出来る訳もなく、とりあえず楽譜に起こしたものを必死に練習して弾いていました。(もちろん下手)
そして、ある練習の日。
スタジオに行くと、先輩達が神妙な顔つきで話をされていました。
なんだかイヤな空気。名前を呼ばれる。イヤな予感。
「今度のライブ、あかねちゃん抜きで出ようと思う。」
なんだか他にもフォローの言葉が沢山かけられていた気がしますが、ほとんど覚えていません。
その時は笑顔でその場を過ごしましたが、帰宅して号泣。
悔しかったのと、情けないのと、悲しいのと。
そしてヘタレの私、それっきりそのサークルに顔を出すことはありませんでした。
そんな甘酸っぱい思い出のこの曲、今でも聞く度に胸が締め付けられます。
The Greyboy Allstarsはカリフォルニア出身のアジッドジャズバンド。
サンディエゴ出身のDJ Greyboyがメンバーを集め、1993年に結成されました。
即興生のあるファンクバンドの演奏方法の成形に大きく影響を与えたと言われています。
ファンクというジャンルは私は未だに詳しくないので、あまり上手く説明出来ないのが正直なところ。
だけど、このバンドは王道っていう感じがして好きです。
この曲以外は・・・。