クラムボン / KANADE Dance2013.8.17
その地方のリスナーにライブをして欲しい場所を聞いて、それを現実化する。
そんなクラムボンのドコガイイデスカツアー。
今日はその大阪公演に行ってきました。
場所は、千日前にある味園ユニバース。
1956年に建てられた味園ビルの地下1階にあります。
当時はモダンで高級感のある外装が評判を呼び、キャバレーやダンスホールとして使用され連日大繁盛を納めたとか。
私は知らなかったのですが、インパクトの強いCMも有名だったそうですね。
バブル時代はミナミ、千日前の歓楽街の象徴とも言われていたこの場所、まさに時代を感じさせる作りとなっていました。
ものすごくきらびやかで、そこまでする!?とツッコミを入れたくなるような照明。
綺麗なオネーチャンが男性の隣に座ってお酒を注いでいたのであろう、沢山の豪勢なソファー。
バブリーな香りがムンムンとしていました。
そんな味園ユニバースでのクラムボン。
18歳の時に出会った彼らの音楽。一気にハマってそればかり聴いていたのが懐かしいです。
ライブ自体は約3年ぶり!どれだけ楽しみにしていたか・・・!
言わずもがな最高でした。
セットリストも最新のものから過去のものまで、聴きたい曲を的確に披露してくれて大満足。
ライブの内容は書きませんが、感じたことを少しばかし。
今回のツアーを通じて、味園ユニバースという場所を知ったと言うクラムボン。
このドコガイイデスカツアーは、観客と彼らの距離がグッと近く感じられる素晴らしい企画だと思います。
バンドマンとはいえども、全国にあるハコ(になりえる場所)をすべて把握しているかって言うとそんな筈は無い訳で。
なので地元の人、しかもリスナーから情報を得て、新しい場所を発掘してゆく。
まさにお互いに得をする、ウィンウィンの発想ですね。
そしてこんな自由なことが出来るのは、クラムボンというバンドの色が、そんな奇想天外な計画にすぐ順応するものだからこそ。
彼らのバンド活動に対する余裕ももちろんですが、新しいものに対して貪欲に関心を持つ、大人の遊び心。
クラムボンはそれを常に求めているバンド、だからこそこんな大変だけど楽しいことをやってのけちゃうんですよね。
こういう大人って、すごく素敵。 これも、人気が衰えない要因の秘訣なんだろうなあ、なんて思いました。
ライブを観て改めて、私にとって唯一無二のバンドなんだよなあ、とつくづく感じさせてくれたクラムボン。
これからもずっと応援し続けたい。
クラムボンは、キーボードボーカルの原田郁子、ベースのミト、ドラムの伊藤大助による3ピースバンド。
1996年に結成されて以降、現在までに8枚のアルバムをリリースしています。
普通のポップバンドとは違い、一癖も二癖もある彼らの楽曲。
高い演奏スキルは当然のごとく、散りばめられた凝ったアレンジ。
時にはセッションを聴いているような楽しさ、時には突然出てくるサイケな打ち込み、だけど曲はすべてポップで聴きやすいナンバーばかりです。
とことん独自のポピュラリティーを追求したクラムボン。
どんな層のリスナーにも広く受け入れられるバンドだと思います。是非。