泣かせにきている ── jizue / SAKURA2013.10.8
とうとうこのバンドを紹介する時が来た。
今日の一曲は、京都の4人組インストバンド、jizueからです。
2006年にギターの井上典政、ベースの山田剛、ドラムの粉川心を中心に結成、その翌年からキーボードの片木希依が加入し、今の編成となりました。
所属は同じく京都のバンド、nabowaやSOFT、長谷川健一らが所属するbud music。
このレーベルはついこないだ、5周年を迎えたところ。
jizueの楽曲はハードコアやロックの激しさにジャズやラテンの要素が混じり合っており、そこにピアニスト片木の叙情的で切ない旋律が加えられているという極めて独創的なもの。
変拍子やポリリズムも多様されており、いかにして計算して作り込まれているかがよく分かります。
(私はこのバンドのおかげでポリリズムの意味を知った)
ライヴも毎年全国各地で精力的に行っており、昨年のFUJI ROCK FESTIVAL2012にも出演を果たしました。
私がjizueを初めて聴いたのは割と最近、2012年の3月です。
今まで聞いたことのない感じの音楽だ!ということでドハマり、知人に教えてもらった1stアルバム『Bookshelf』を何度も何度も繰り返し聴きました。
それから間もない5月、2ndアルバム『novel』をリリース。これも心待ちにしていたなあ。
そして今年の6月、待望の3rdアルバム『journal』がリリースされました。
本棚、小説、雑誌、というなんともオシャレなシリーズタイトル!
次はなんだろう。
どこかのインタビューでメンバーが「もうこのシリーズは終わりにしなきゃなぁ」と話していたけど、個人的にはこのスタイルを貫いて欲しいなあ。東京事変みたいに。
私の思うこのバンドの魅力は、何と言っても美しいメロディ。
心に染み込んできて、それこそ文字通りに骨抜きにされてしまう感じ。
中には情熱的で激しい曲も沢山ありますが、どれも根底には綺麗な音の流れがあってのそれです。
「この曲展開、どう考えても泣かせにきてるやろ〜!」と思いながら毎回泣いてしまう私。
そしてなにより、jizueはライヴがめちゃくちゃいいんです!
どのアーティストにも言えることですが、耳でしか聴くことのできない音楽を身体で聴けるのがライヴ。
jizueの場合はそれを特に実感できるような気がします。
彼らの結束感、各々が身体を揺らして取るリズム、楽器を奏でるときの表情、それを全てひっくるめて曲を演奏しているような。
一音いちおんを腫れ物に触れるくらい大事にしているのがよく分かり、音楽に対する愛情がひしひしと伝わってくる。
機会があれば是非!観に行っていただきたい。
たとえ音源を聴いたことがなくても、丸裸になった彼らの音楽そのものを楽しむことができます。
べた褒めしてしまった。
それくらい大好きで大切なアーティストなんです。
と、いうことで今日はjizueができて一番はじめに作られた曲、SAKURAを。