はいしゃさん ── INO hidehumi / Spartacus2014.5.15
先月半ばから歯医者に通院しています。
私はありがたいことにそこそこ歯並びも良く虫歯にもほとんどならない良体質なのですが、昔一度だけこじらせた虫歯のせいで一カ所だけ詰め物をしている歯がありました。
それが先月突然外れてしまったのがきっかけ。
以前親知らずが疼く時期があり、地元にある何件かの歯医者をハシゴしたのですがどこもかしこもなんだか私に合わず。
困ったなあ首をかしげているうちに疼きが収まってしまったので放置していました。
なのでどの歯医者さんを選ぶのか、そこからのスタートでした。
歯医者さんに対して私の持つイメージは、医者というより職人さんに近い感じ。
複数の患者の間を行き来して、手順が決められた作業のように治療を進めているように見えるからでしょうか。
そのためどうしても淡白に見えてしまうし、不安に思ってしまう先生も多々おられます。(もちろんそうでない方もおられますが)
今まで「ちょっと自分には合わないなあ」と思った要因として挙げられるのは、あまりこちらの意思を問わない/説明が淡々としている/単純に荒いから不安、など。
ただ単に私が歯医者というものに対して敏感だということや、ちょっと(先生に診てもらう)タイミングが悪かったことを考慮しても、私はなかなかに歯医者運が無いようです。
しかも新しい病院に行くごとにレントゲンを撮られる訳だから「さすがに放射線を浴び過ぎだろう」という情弱な感想を持ったが為に今回をラストチャンスにすることにしました。
そして今回の通院。 選んだ歯医者さんは昔からおられる先生なのですが、医院を新しく立て替えたらしく綺麗な病室、それがかなり魅力的。
綺麗で優しいお姉さんばかりでそこも満足。
過去に世間話ばかりしてくるおばちゃんが受付だったところがあって、その人が苦手で通院をやめてしまった経験がある私からすると必要以上に会話が無い方がありがたい。
だって待ってる間に「あなた大学はどこ?あら、私の親戚のだれだれと一緒ね!就職はどうするの?べらべらべらべら」とか嫌じゃなですか?
ちなみにその方は暇な時は通販の冊子を見ておられました。 「これとこれ、どっちがいい?」なんて。
今回の歯医者さん、先生はもちろん行ったり来たりで忙しそうですが、治療が終わった後は僅かでも必ず向き合って話す時間を取ってくれるのでとても安心できます。
複数の患者さんを同時で診るのは仕方がないことかもしれません、だけどそれを作業のように淡々とこなすのではなくちゃんと患者さん1人ひとりと向き合って話してくれることで「今は私を見てくれている」と思わせてもらえるのがとても嬉しいです。 恋みたい。
いや、ほんと恋みたいですよ、歯医者って。
先生に片想いしてる患者さん達がこっちに来て!と口を開けて待ってる訳ですよ。
そこを先生が飛び回って治療している。 やっと会いに来てくれたのね!と思ってもすぐに次の患者さんの所へ。
「今日はここまでね、続きは来週だよ」と言われ、診てもらえた満足半分ちょっと心残って待合室に戻るのです。
それでも自分の為に時間を割いて顔を合わせて会話してくれたことが嬉しいなあ、なんて考えながら。
先生はモテ男か、光源氏か。
患者だから当たり前のことなんですがね。
だけどこうやって考えると、苦手な歯医者さんに行くのがちょっと楽しくなってくるのです。
ちなみに歯のクリーニングまでしてもらい、余計に歯に気を遣うようになりました。
最近のマイブームは糸ようじです。