音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

がんばらせていただきます

れ

昼過ぎに引っ越しに関するお金の振込みをして、

もろもろの書類を不動産屋さんに提出した。

これで契約は完了。肩の荷がひとつおりた気分。

担当のTさんに、引っ越しの業者どこがいいですかねえと相談すると、

パンフレットを4社分くれた。

とにかく見積もりをとりまくり最も安いところにするのが一番だと言う。

 

それで帰ってからさっそく電話を3社にかけてみた。

はじめの2社は明日うかがいますと言っていたので、

3社目はあさってにするべと思ってそう言ったら、

3社目の某引っ越し屋さんの電話受付の方がそうとうやり手で、

「見積もりですか、ぜひ本日しましょう。

あさって?いえ、それでは遅いです。

ご希望の日に他のお客様の予約が入ってしまうと値段は高くなっていきますので、

見積もりは早め早めにしたほうがお得なんです」

と言う。

なるほど…と納得させられ、

結局その電話の1時間後に見積もりに来るということになった。

 

うちに来たのは私と同い年くらいの、

さえないジョークをやたらと飛ばす男の人だった。

(さえなさすぎて、ここには書けない)

 

「がんばらせていただきます!」を連発するので、

こちらとしては

「が、がんばってください!」と言うしかなかった。

実は3月にも引っ越しの話が持ち上がったことがあり、

そのとき見積もりを出したら30万円という恐ろしい金額が出て諦めたのだが、

今は10月、引っ越し屋さんも暇だろうと足元を見た私は、

値切るだけ値切ろうと胸に決めていた。

 

「お客様の【ここは譲れない!】という点を教えてほしい」と言うので、

「安さです」ときっぱり答えた。

そしたら彼は

「がんばらせていただきます!」となおも言うので(流行ってるのか?)、

「がんばってください!」と応援しながら電卓を見ると

「73500円」とあった。

 

あ、結構安い。と30万円とかつてふっかけられた私は思ったが、

いや、まだだ!と気を引き締めて

「うーん…、他社さんにも見積もり出していただいてから検討しますう」

とへらへらした。

そうしたら、

「どうすればうちにしてもらえますか!」と言うので

「5万にしてください!」と言ったら、

「がんばらせていただきます!」と彼は言い、

結局5万円になった。

 

 

30万が…5万…

 

絶対に3月には引っ越ししないぞ、と決めた私なのだった。

 

 

れんたろうは終始ジョークの冴えない彼にまとわりつき、

膝の上に乗ったり、首からぶら下がった社員証をかじったり、

スーツのスラックスの上によだれを垂らしたりしていた。

それでも「かわいいですね~」と彼がれんたろうを抱っこしてくれたので

「段ボールもサービスしてくれへんか、お兄ちゃん」と

れんたろうを使って腹話術式でねだってみたら、

段ボールも規定の30枚にさらにプラスしてくれた。

言ってみるもんだなあと思った。

 

 

れ

 

つかまり立ちができるようになったれんたろう。

とにかくよく転ぶ。

今日は転んだところにDVDレコーダーの角があって額を切り、

流血騒ぎになって本当に焦った。

でもすぐ泣きやんでばぶばぶ言ってまた立とうとする。

本気で目が離せない。

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