地蔵盆2013.8.25
私自身広島の出身であるので、地蔵盆を経験したことがない。
去年はマンションに住んでいたからか
それとも近所付き合いのない地域に住んでいたからなのか、
れんたろうが生まれても地蔵盆への誘いがなかった。
今は借家に住んでいて、町内会の交流も盛んである。
子供の多い土地柄でもあるらしく、地蔵盆もちゃんとやっているよう。
というわけで今年、親子ともに初めての地蔵盆参加だ。
でもまず地蔵盆が何かわからない。
ひっそりポストに入っていたプログラムを隅々読んでみても、
「10時半 スパーボールすくい(原文ママ)」とか
「12時 お昼 マック支給」など書かれているだけで、
出入り自由なのか9時から20時までずっと遊び倒すのか
そしてまずどこへ行けばいいのか
わからないことばかりでおろおろする。
突然ちょうちんセットをもらったときには面食らった。
真向かいのおうちの方に、何をどうするのかすべて教わる。
①半紙に絵と願い事と名前を描いて、ちょうちんにはる
②お供えとして1000円か2000円包む
③あとはもう、子供が遊んでいればいい
ということであった。
雨の中、朝の九時から夫とれんたろうを連れ出し、
テントの下で遊ばせる。
初めて挨拶以外の言葉を交わす人たちが多かったので、自己紹介から世間話。
人見知りの激しい夫は早々に帰りたがる気配むんむんであるが、ご近所付き合いは大事である。子供がいるならなおさらだ。
れんたろうにはこの土地に慣れてもらいたいし
逆にこの土地にもれんたろうを受け入れてもらいたい。
れんたろうだけでなく、私たちも。
環境に慣れる・受け入れられるということは
人がのびのびするためには絶対に必要なことだから。
それにしても新入りの私たちに優しい人ばかりでよかった。
「れんちゃんもすいか割りしよう」とか
「れんちゃんもお菓子もらいなさい」とか
私がわからないから周りが気にかけてくれて、
れんたろうはすいかを触れたりお菓子をもらえたりする。
ありがたいことだ。
あと中3の女の子と知り合いになった。
この年頃の子とはなかなか話す機会がないのだけど、
ものすごくしっかりしていて驚いた。
私がビンゴでなかなか数字が来なくて
いつの間にか熱中して本気で悔しがっていたら、
ようやくビンゴになったときにその子が
「ビンゴ来てよかったね!」と遠くから声をかけてくれた。
遠くからわざわざである。私の悔しがりようはそんな遠くまで伝わっていたのか。
うん、よかった!と思わず満面の笑みで答えて、
はっと我に返る。
そこには
なんか友達になれそう…と思う自分がいた。
向こうが大人っぽいのか私が子供なのか。
いずれにせよ、仲良くなれそうなのはいいことである。
私たち母子は残りふたつとなっていた景品にかろうじて手が届いた。
景品は仰向けになって走る小さなバルタン星人で、
れんたろうは思いのほかそれが気に入ったようだった。
他にもスーパーボールすくいやスイカ割り、
英語教室をされている外国のおじさんの弾き語りや
子供全員で行う数珠まわしなど、
盛りだくさんの内容だった。出たり入ったりしながら、およそのことに参加した。
福引ではれんたろうが「くじを引く」という概念がまだないので、
私が代理としてくじを引かせていただいた。
みんなサッカーボールとか砂遊びセットとか大きめなものが当たっている中、
うちが当たったのは小さな袋に入った何か少し重たいもの。
(ごめん、母ちゃんくじ運悪いんだよ昔から。ビンゴも弱いしさ…)
とれんたろうに小声で謝りながら袋を開けると
果たしてれんたろうの大大大好きなトーマスの走るおもちゃであった。
「うおおおお」
れんたろうが叫んだのでびっくりして顔を見ると、瞳孔が開いていた。
周りのお母さんがたがその叫び声に笑って「よかったなあ」
「靴もトーマスやもんなあ」とお祝いしてくれた。
八時になってすべてのプログラムが終わり、
挨拶をして帰る。
れんたろうはとにかく、トーマスがすごくすごく嬉しかったらしい。
うちに帰ってもずっと「でんしゃ」「でんしゃ」と言い続け、
トーマスをしっかり抱いて離さなかった。
「がたごとーんがたごとーん」と布団の中でも遊び続け、
胸にトーマスを抱いたまま寝た。
これほどまでに喜ばれると、
「私ってすごいくじ運の持ち主」
と、自分をほめてやりたくなった。
これまでのくじ運はこの日のために溜め込まれていたのかもしれない。
(半目でトーマスと眠るれんたろう)
さて、れんたろうは朝起きてさっそくトーマスと戯れている。
保育園に行きたがらないのもトーマスと離れたくないからだ。
無理やり引き離して登園。
帰ってきたらまた遊ぶんだろうな。
(この後ぎゃん泣きのまま連行されるれんたろう)
地蔵盆楽しかったな。
また来年も楽しみ。