半日保育体験2014.3.12
私は急いでいるときでもよく道を聞かれる。
このあいだも仕事帰りにダッシュでれんたろうを迎えに行く道すがら、
中国の人に道を聞かれた。
鴨川はどこかと言うので、
「なう…ひあ!(地図を差しながら)
KAMOGAWA(なぜかかたこと)いず…ひあ(地図を差しながら)!
ぢす すとりーと、れふと!れふとに まっすぐ!すとれーとね!
ふぃふてぃーん みにっつ、をーく!」
と言ったら通じた。小さな奇跡だ。シェイシェイと言われた。
すっげー急いでいるつもりだったのだが、顔が暇そうに見えるのだろうか。
そんな私は、保育園でもよく「父母会の委員に立候補してみないか」とか
「お祭りで踊ってみないか」とかいうのに誘われる。
まずは保育士さんもお母さん全員に声をかけるのだけど
誰もが断るので(私もやんわり断るのだが)私に最終的な依頼が来る。
まあ、私は水曜日が休みなので、たぶんママたちの中でも暇なほうに
入るためにこうして言われるのだろう、とひとり納得する。
でも水曜は水曜でたまった家事や用事がありましてね~
ていうか、週5で働いているママは家事ってどうしてるんやろうな~
ダスキンとか頼むんかな~
とまあそんな感じで、今回は「保育士体験」をしてみないかという
お誘いがあった。
私はすぐにここで「先生にもノルマがあるんじゃないか」と考えてしまうのだけど、
そんなこと思いませんか?
「ぞう組さんとこ、ひとりも保育士体験参加してないじゃないの!
目標は先生ひとりにつきお母さんひとり確保のはずよ!」
とか、責められてるんじゃないかと気が気じゃない。
元営業部の人間ならではの発想である。
実際そんなことないことを願う。
しばらくのらくらとかわしてきたが、3回目のお願いあたりで私も腹をくくり、
半日だけ参加してきた。
せっかくなら、れんたろうの1年後を見てやろうと思い、
れんたろうの1個上の学年であるらいおん組の保育士を体験させて
もらうことにした。
れんたろうを預け、そそくさとらいおん組へ行くと、
見知らぬ人が教室に入ってきたので固まる子供たち。
ちらちらこちらを見ながら、おのおのの遊びを続けている中、
「今日は新しい先生が来てくれましたー」
と紹介を受ける。
先生って呼ばれるの、初めてだなあ。と思いながらよろしくね~と言う。
子供たちは最初遠巻きに私を見ていたけど、
「名前なんていうの?」とか「絵本何が好きなの?」とか
聞いていると、すぐにわらわら寄ってきた。
だいたいの子供たちはもう3歳になっていて、
ぺちゃくちゃとよく喋る。
「あんなー、僕なー、みっくんいうねん」
「みっくん?」
「うん。おねえちゃんおるで?」
「おねえちゃん?」
「うん、4さいやねん」
「あーそうなんだ」
「きのうな、いっしょにおふろはいってな、
パパもママもいっしょにはいった。
みっくんな、しゃんぷー●×★■(聞き取れない)」
「そうなんだ」
「うん」
みたいな感じで、いささか唐突感や不明点はあるが会話もちゃんと成り立つ。
そのみっくんと、あっくんと、はるくんという男の子たちが、
終始私にまとわりついてくれた。
女子はなかなかなついてくれなかった。
やっぱり男の子の親だからですかね、私が。
女子の扱い方がよくわからなかったので、
喜ばせようとしていろいろちょっかい出してみたけど
「ちがうの…」「そうじゃないの…」
とか言われて全然うけなかった。
難しいぜ女は。
ところではるくんという子は、エレカシのボーカルみたいな顔をしていて、
すっごくテンションが高い。
「ずどーん!ちゅどーん!」と言って私にタックル、
そして私の肩を噛む。髪をぐしゃぐしゃにする。めがねをとる。
「すっごい元気だね」とぼろぼろになりながら言うと
「ぼく、元気、ありあまっとんねん!」と叫んだ。
よくそんな言葉知ってるよね。
半日間、ひたすら絵本を読まされた。
この日はPM2.5が飛んでいるとかで外で遊べなかったので、
ずっと室内遊びだったのだ。
一冊読んだと思ったら、新しい一冊が差し出される。
そしてまた読んだと思ったら、差し出される。
読み聞かせ無限地獄。でも順番待ちしてる子のためにも
断ることはできない。途中で私は無になり、声ががらがらになった。
お昼ごはんの付き添いをして、着替え、お昼寝までを手伝った。
「先生、もう帰るん?また遊ぼうね」
と、ふとんの中で眠たそうにみっくんが言ったのがめちゃくちゃ
可愛かった。
れんたろうもちょいちょい喋るようになったが、
3歳の喋り具合は比ではない。驚いた。
人はあんなに速く言葉を覚え使えるようになるんだなあ。
まーとりあえずかわいかった。
喋りは一丁前なくせに、とっても甘えん坊で、
抱きついてきたり膝に乗ってきたり。
やっぱりまだ赤ちゃんが抜けきれてない感じで。
れんたろうの赤ちゃんっぽいかわいさもあと1年はもつんだとわかり、
ちょっと嬉しくなりました。
アルパカの帽子をいまだに気に入っているれんたろう。
まずは起きたら自分でかぶります。
そして彼の朝は始まる…