音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

なつやすみにっき(後編)

蜀咏悄 1

 8月12日(火)

遅れて広島にやってきた夫と、母と、れんたろうとで、駅前の回転寿司屋へ行く。

「たまごーたまごー」とリクエストするれんたろう。まだお刺身は食べさせたことがない。

そのあとショッピングモールにて、れんたろうを車のカートに乗せて買い物。れんたろうは嬉しそうに、通行人に「みてみてー」と積極的に話しかけていた。

 

蜀咏悄 1

 

↑スタバではしゃぐれんたろう。「こでこーひー?こーひー?」

 

夜は母の店で三人でごちそうになり、帰りにスーパーに寄って翌朝の朝食を買った。

れんたろうが、「よーぐると、うしさんがいいー」と言って牛の絵の描かれたヨーグルトを持ってくる。いいよ、と言うと、「やったやったー」と言っておどけた顔で踊る。すこぶる機嫌がよい。

でも旅先のスーパーは、地元と言えども何だか心細い。

この場所に住む自分たちを想像してみる。

連日酒を飲んでいる夫が栄養ドリンクをかごに入れてきた。私はチョコラBBを買う。

 

8月13日(水)

広島を出て博多へ。疲れが出たのか、お昼に蕎麦屋で蕎麦を食べたら胃と頭が痛くなった。

チェックインよりだいぶ早く、ホテルにいれてもらう。

せっかく博多に来たのに、気づいたら3人で7時まで寝ていた。もつ鍋屋に行こうと6時に予約していたのに…。急遽予定を変更し、ホテルの近くの子供OKな居酒屋へ行く。

睡眠をしっかりとったのでみんな元気。特にれんたろうはすさまじくテンションが高く、

「あぴよー!あぴよー!」と謎の奇声を上げ続けていた。しかも速攻居酒屋でうんち。せっかく疲れがとれかけていたのにどっと疲れが来る。なぜここでもよおす?というところで子供はもよおす。

しかしここの居酒屋がとてもいい店で、何を頼んでもおいしかった。

特にゴマさばはおいしかった。初めて食べたよ。

 

蜀咏悄 2

 

写真は何かいい鶏肉の炭火焼。博多はごはんがおいしい。

れんたろうももりもり食べて、炭火焼を半分くらい食べられてしまった。

「ぼく、おっきいのお肉がいい、おっきいのお肉がいい」

小さいのをあげると泣いて怒るので、大きいのをいくつかあげてから、私たちも急いで食べる。

 

8月14日(木)

朝いちで夫の先祖のお墓参り。

墓地の近くの24時間開いているスーパーでしなびた花を買い、お墓をそうじする。夫は、本家の長男の長男で、お墓参りを自分の使命だと思っているので、結婚以来毎年私たちは博多を訪れる。

他の親戚のひとがすでにそうじをしていてくれたらしく、お墓はある程度きれいだった。花も活けられている。無理やりそこに買ってきたお花をねじ込む。れんたろうもやりたいというのでやらせる。「なむなむしてね」と言うと、手を合わせて「れんちゃんです、またあそぼーね」と言った。れんたろうなりの挨拶言葉。

ホテルに戻って買ってきたコンビニのサンドイッチなどを食べる。れんたろうはレタスを「いなん(いらん)、みどり、いなーん」と言って残した。がつがつとその他はよく食べた。

お弁当を買って新幹線に乗って帰る。夫もれんたろうも、車内でぐっすりと寝た。

私はれんたろうと一緒だとこういうところで寝ることができない。椅子から落ちるのではとか、目がさめたときいなかったら、とか常にどこか緊張しているので、寝るなんてのんきな奴だと夫に対して思う。私はずっと本屋で買った漫画を読んでいた。京都に昼過ぎにつく。帰省、おしまい。

 

8月15日(金)

れんたろうを保育園にあずけて様々な用事をすませる。保育園はお盆もやっている。

離れるとき、「泣くかな?」と思ったけど泣かなかった。でも、「ばいばーい」と言ってくれなかった。ちょっとふてくされているようだ。自分だけ何でと思ってるのかもしれない。

用事を済ませ、夫に誕生日プレゼントを買ってもらう。もう明日から20代最後の年だ。そろそろ30になるのだから、ちょっと良いバッグのひとつやふたつ、持っていないとだめだろうという話をして、それを買ってもらう。まだ袋から出していない。ちょっと良いバッグに慣れていないので、まだ何となく使えずにいる。

 

8月16日(土)

誕生日だ。29歳になった。

れんたろうに「今日、ママ誕生日なんだ」と言うと、「れんちゃんもたんじょうびだで」と言われる。お前は誕生日じゃないよと教え諭すと泣かれた。

「誕生日の歌うたって」と言うと「たんたんたんたんたんじょうび~、きょうはまーまのたんじょうびっ、たーん!」と歌ってくれた。「ありがとう」と言うと「いえいえ、どういてまして」と言う。そのあと、2回ほど歌ってくれた。

子供に歌をうたってもらえるなんて、幸せだなと思った。

 

8月17日(日)

休みの疲れが出たらしく、頭が痛いし体がだるい。

れんたろうは例によってハイテンションで、「おきてー!」と叫びながら寝ている私のみぞおちに飛び込んでくる。「ぐふうっ」と出したことのない声が出た。

早く仕事したい。

 

蜀咏悄 3

 

↑オシリペンペンズのモタコさんが8年かけて伸ばした髪の毛を散髪屋で「おまかせで」と言って切ってもらう動画を夢中で繰り返し見るれんたろう。何が彼の琴線に触れたのかはよくわからない。

 

 

夏休み日記、おしまい。

 

 

2014年8月のアーカイブ

これまでの連載