音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

きのうよりちょっといい今日

蜀咏悄

きのうは夫方の祖父母宅にれんたろうを預けさせてもらった。

2ヶ月に1度くらい、義母から、れんくん預かるから夫婦ふたりで出かけておいでとありがたいメールが来る。

れんたろうは特におじいちゃんと仲がよいので、

「じいじとばあばの家に行くよ」と言うと

「じいじとばあばか~」と言って喜ぶ。

 

「最近れんたろうくんはどんなものが好きですか」

と事前に義母から聞かれていたので

「最近はトッキュウジャーという戦隊ものが好きです」

とメールを返していた。

夫とふたりで出かけたあとれんたろうを迎えに帰ってくると、果たしてれんたろうの手にはトッキュウジャーのおもちゃがあった。

大事そうに握り締め、こわばった顔で私達に見せてくる。

「こで、トッキュウジャー、ばあばがかってくれたん」

と言うのだが、私が取って返すとでも思っているのか、見せてと言っても警戒して見せてくれない。

「れん、ばあばにありがとうだよ」

と言うとやっと安心したのか笑顔を見せ

「ばあば、ありがとう」

とお礼を言っていた。

 

疲れたのか電車の中で眠り、トッキュウジャーを抱きしめたままふとんに。

今朝目が覚めると同時におはようよりも早く

「とっきゅうじゃーは?とっきゅうじゃー、ないない」

と言ってごそごそ探し始めた。

見つけてあげると

「ありがとう、こで、じいじとばあばかってくれたん」

とまた言う。

 

普段おもちゃをあまり買ってもらえないので、れんたろうはたぶんそういうものだと思っていて、おもちゃほしいとかあまりだだをこねたりしないのだけど、そうとう欲しかったんだなあとトッキュウジャーを握り締め続ける小さな手元を見てしみじみ思う。

 

朝ごはんを食べてから買い物に行こうと言うと

「とっきゅうじゃーもってっていい?」

と言うので「いいよ」と言ったらすごく驚いた顔をした。

れんたろうはいつも、保育園に新幹線のおもちゃやミニカーなどを「もってっていい?」と言うのだけど、そのたび私が「だめ、みんながほしいほしいって言うからだめです。ねんねさせておいてね」と答えて、れんたろうがしぶしぶおもちゃを寝かしつけて出かける、というのが毎朝の恒例になっている。

それで今回も、私に「ねんねさせておいて」と言われると思っていたのか、意外な答えにびっくりして、「ねんねじゃないの?」と言って喜んだ。

そして「ありがとう、ぼく、ままにびーるとこーひー、かってあげるね」と言うので、今度はこちらがびっくりした。

僕の好きなものを認めてくれたから、ママの好きなものを認めてあげようということなのかな。

れんたろうはトッキュウジャーを胸にサンダルをはき外へ飛び出し、

近所のおばちゃんに「みて、こでとっきゅうじゃー」と見せてあげていた。

「あらー、いいわねー」「うん。ばあばかってくれた」

大事なものが増えるというのはいいことだな。

れんたろうはきのうよりも好きなものが増えた今日という日を生きている。

 

蜀咏悄

 

 

 

 

 

 

 

お気に入りのコキンちゃん靴下、

「れんちゃんがはいたー」と言うので見てみたら、

すべりどめが甲にきていた。

「すごいね」と言うとはにかんで笑った。

 

蜀咏悄 1

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