音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

水疱瘡にかかりました

写真

れんたろうが水疱瘡にかかって、月曜から会社を休んでいる。

 

37.5度以上になると保育所には預けられないので

れんたろうのおでこに手をあてて

熱がないかチェックするのが習慣なのだが、

月曜の朝には熱はなかった。

それでお弁当の用意もして化粧もして朝ごはんも食べさせて

いざ出発というときにれんたろうが

「あたま、むしにかまれた」と言うので、

見てみたら髪の毛の奥にぽちっと赤いのができていた。

 

よく見ると水を含んでいる。

虫さされかな?と思いながらも服をめくりあげると、

お腹にぽつぽつと赤いできものが。

携帯ですかさず「初期 水疱瘡」で画像検索。

これはひょっとするとひょっとするかもね!!

と思い、会社に遅刻する旨伝えて小児科へ行ったらやっぱり水疱瘡だった。

 

水疱瘡というのはすれちがうだけでうつるくらい感染力がすごいらしく、

小児科も裏口からしか入れないし隔離された別室で診察を受けた。

「れんちゃん、あかいぽつぽつできてんで。ほらっ」と

勢いよくぽんぽんの腹をお医者さんに見せるれんたろう。

「ほんまやな〜、これは水疱瘡やな〜」

と言われると嬉しそうに

「うん。れんちゃん、みずぼーそやねん」

と言っていた。

「お母さん、この赤いやつ、全部かさぶたになるまでは

 他の子にうつるから登園は無理です。

 5日間から1週間は見てください」

と言われた私は、へらへらうなずきながらも

「わあああああ」と心の中で叫んでいた。

 

予防接種を以前一回受けていたので重症化しなくてすんだのが救いだ。

子供のころに一回やっとくと免疫がついて一生かからないと言われているので、

かかってくれてよかったのかもしれない。

(ちなみに夫はかかっていなかったので急いでワクチンを受けさせた。

家族が発症して72時間以内なら効くらしい)

 

帰ってから急いで今週の仕事のスケジュールを作った。

締め切りのあるものなど、どうやって作業するかを考える。

社長と話し合い、夫と入れ違いで夜会社に出かけたり、

無理のない範囲で自宅作業をすることに。

それにしてもしかし、取材が入ってなくて本当によかったと思った。

(先々週泊りがけで取材だったので)

 

れんたろうはほとんど熱を出さないので、

保育園を休むことは珍しいのだけど

毎日「今日熱が出たらどうしよう」と思う。

打ち合わせ、商談、取材、締め切り、

絶対に休みたくない日の朝はいつもどきどきしながら

おでこに手をやる。

 

うちは両親が離れていたり仕事を続けていたりするので、

祖父母に預けることもできない。

夫は仕事を休めない、というので、私が休むことになる。

夫の会社は、男が育児のために休むなんてありえないのだという。

でも「俺は仕事を休めない」ってなんだ?と思うときがある。

私だって休めないよ、と思う。

ばか、と思う。

 

月曜、仕事から帰ってきた夫が

「れんたろう大丈夫?」と言った。

「大丈夫だよ」と言うと「よかった」と言い、

ワクチンを打ったらからだがだるいとかいって別の話を始めたので

「他に言うことないの?」と聞いた。つまり怒った。

夫が慌てて「大変だったね」と言うので、

「看病は大変じゃない、でも仕事休んで大変」と返すと

「ごめん、休んでくれてありがとう」と言った。

 

れんたろうの担任の先生は女性で、

警察官の旦那さんとのあいだにふたりの子供がいるという。

以前私が「育児しながら仕事するって大変じゃないですか」と聞いたら

「お母さん、これは戦争ですよ。男と女の」

と言ったのでびっくりした。

「子供が熱を出したときも自分は関係ないって顔してたんです、うちの人。

 お前が休めばいい、俺は仕事があるからって。

 でもそんなのおかしい。私だって仕事を任されて責任があるはずなのに、

 お前が休むのが当然みたいな顔をされるとすごく頭に来ませんか。

 だから、ずっと言い聞かせていたんです。

 同じ働いている身なら、休むのがどんなに大変かわかってほしいって」

今では子供が熱を出したとき、警察官の旦那さんが休むこともあるらしい。

それを聞いてすごくびっくりした。

「ここまで来るのに5年かかりました」

と先生は言っていた。

 

病気の子供に付き添っていたいという気持ちは当然ある。

心配だし。かわいそうだし。それはもうそばにいたい。

ただ、今日はまずい、仕事を休みたくないときも当然ある。

そのピンチを、夫婦ふたりで分け合えたらいいと思う。

 

それが無理ならやっぱり

「休んでくれてありがとう、仕事大丈夫?」

くらいは言ってほしい。

 

と同時に

こういうときにちゃんと休める会社で働けていることは、

とてもありがたいことだとも思う。職場の理解、大事。

 

れんたろうは赤いぽつぽつがある以外は元気もりもりだ。

「まま!たたかおうよ」

「まま!おかしたべようよ」

「まま!れんちゃんみずぼーそなのよ」

「まま!」「まま!」

とまとわりついてくる。

今やっとお昼寝してくれてこれを書いている。

 

きのうは一緒に初めて「アナと雪の女王」を観た。

「まま!ありのままのみようよ。ありのままののでぃーびーでぃーみようよ」

れんたろうは「アナ雪」のことを「ありのままの」と呼んでいる。

アナ雪、おもしろかったです。歌がめちゃめちゃうまかったしびっくりした。

れんたろうはディズニー特有のあの顔の感じ

(大きいつり目が表情豊かに変化する)がだめだったようで、

アナにもエルサにも「こわい…」と言ってたけど。

 

この写真は日曜のれんたろう。

このときから水疱瘡にかかっていたのね。

この日は一歩も外に出なかったので、

こういうときインドア派でよかったなと思います。

写真

2024年11月のアーカイブ

これまでの連載