音読

たぶん週刊ランラン子育て帖

どもんらんってどんな人?

2012年の1月、音読編集部のもとに赤ん坊が生まれました。名前はれんたろう。「にゃあ」というなき声がチャームポイントの男の子。新米ママ土門、今日も子育てがんばります。

小学校ごっこを始めました

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二人目が生まれる予定日まで、あと1ヶ月半。
エコーで見ると顔もわかるようになって、このあいだは口をぱくぱくさせていた。
「これ何してるんですか?」と聞いたら
「羊水を飲んでるんです」とお医者さんが教えてくれた。

夜、れんたろうに絵本を読んでやっていると、声が聞こえるのかもごもご動きだす。
れんたろうが波打つお腹に「おにいちゃんだよー」と話しかける。
元気よく蹴るのでたまに痛い。

 

あともう少しで産休だ。
産休は、れんたろうとべったり過ごせる最後のチャンス。
何かできないかなーと考えて、「勉強でも教えてみるか」と思いついた。
わたしが先生になって、れんたろうが生徒になる、小学校ごっこだ。

 

それでまずは形からと思い、れんたろうと丸善に行ってきた。
「ふでばことしたじきを買おう」と言ったら、「ふでばことしたじきってなに?」と聞かれた。
「ふでばこは鉛筆の家。したじきはじじかき(字を書くこと)するときに、ノートにしくやつ」
と説明したら、目を輝かせて「それかおう!」と言う。
季節外れだからかスーパーマリオのふでばことしたじきしかなかったけど、
れんたろうは「これがいい」と喜んでいた。

「なんでかってくれるの?」と聞かれたので、
「ママそろそろお仕事休みに入るから、
家でれんたろうと小学校ごっこしようかなーと思って」
と言ったら、小学校に憧れがあるれんたろうはますますテンションをあげて「やったー!」とぴょんぴょん飛び跳ねていた。

 

その夜、お風呂からあがったら、
パジャマに着替えたれんたろうがちゃぶ台に座っていて
「ママせんせい、しょうがっこうごっこしましょう」
とかしこまった様子で言ってきた。

「え、もうするの?」
「はい、もうします」
見事ななりきり具合に感心してしまい、もう寝ようかと思っていたけど、
「ちょっとだけな」と言って小学校ごっこをすることにした。

教材は、ずっと前に父が買ってくれた「すうじとかずとぬりえ」、「ひらがなとぬりえ」という冊子。
どこの会社が作ってるのかもよくわからない、たぶん100均で買ってきたやつだけど、最初はこれで十分かと思う。
鉛筆をもって、練習して、「自分で字が書けるようになる」という喜びが知れたらそれでいい。

 

れんたろうは1から10の数字のうち、「5」とか「6」は逆に書いてしまうことがあるけれど、ほとんど正しく書けるようになっていた。
保育所で教えてくれてるのかもしれない。ありがたいことだと思う。

「れんたろうくん、正しく書けていてすごいですね」と先生らしく褒めてみたら
「れんたろうくんじゃない、ぼくは、けいたくん」と言われた。
けいたくんとはれんたろうの架空の小学生男児らしく、それになりきっているのだそうだ。

赤ペンで丸をつけ、最後に花マルをあげた。
「これなに?」
「はなまる」
そう言うと、れんたろうは「はなまるやって!へんなの」とおもしろそうに笑っていた。

 

わたしは親に「勉強しなさい」と言われたことがない。
兄弟もいなく鍵っ子で、家にゲームもなかったので、暇すぎて家でひとりで勉強と読書ばかりしていた。
だから自然と成績もよく(小学生の間だけですが)、
「お前はかしこいね」「天才だね」と両親にちやほや褒められて育った。
両親は喜び上手で、わたしはおだてにのりやすかった。
勉強は喜ばれるもの、という良いイメージが自然と身についた。
勉強はわたしにとって「仕事」だった。

 

逆に、「勉強しなさい」と言われたら絶対しなかったと思う。
それが「仕事」と「労働」の差なんだろうな。

 

だかられんたろうにも言わないでいたいなと思う。
勉強が、れんたろうにとっての楽しい「仕事」になればいい。

これから長い間付き合っていく勉強と、楽しく付き合ってほしい。

 

クライアントはまずはわたし。彼の成長をいっぱい喜んでみせよう。
でも、続けていけばもっともっと多くの人を喜ばせるものになる。

 

 

勉強はおもしろい。
わからないことがわかるようになると、世界が広がる。
そういうのを体感してもらえたらそれでいい。
その感覚さえ身につけられれば大丈夫だろうと思う。

 

今は算数と国語だけなので、ちょっとずつ科目も増やしていきたいな。
社会とか、理科とか。

 

わたしもこれを機に勉強し直そう。

世界はわからないことでいっぱいだ。
一緒にわかっていけたらきっともっと楽しい。

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