30年ぶりのセボンスター2019.12.1
廉太郎はもう11月からクリスマスプレゼントの話をしている。
サ
廉太郎が小学二年生になってから、お小遣いをどうするか考えるよ
最初はお手伝いをしたらいくら、としていたが、だんだんと「お金
以来、廉太郎はかなりの頻度で100点をとるようになった。つまらない
廉太郎は散々迷ったあげく、クリスマスプレゼントはガンプラにす
「じゃあサンタさんに一緒にお願いしたら?」
そう言われたので、「大人はもらえないでしょ」と答えた。
すると「じゃあ僕が買ってあげようか?」と言う。
「えっ、買ってくれるの?」
思いがけない言葉に驚いた。廉太郎はさも当然な顔で「うん」と言う。
「なにがほしいの? 人形? 宝石?」
その「人形」と「宝石」という言葉が、なんだか懐かしかった。ま
「宝石かな。キラキラした、きれいなものが欲しいな」
と答えると、廉太郎は「宝石かー」と腕組みをした。
「どこに売ってるか
ライフというのは、
「うん、ライフにあるよ」と言うと「ほんと!?」と驚く。
「うん、ある。セボンスターって商品」
セボンスターはわたしが子供の頃から売っている玩具菓子だ。中にチョコレートひとかけらとネックレスが入っている。
「なんかそれ見たことあるかも! じゃあそれ買いに行こうよ」
廉太郎は楽しそうに言う。
「ほんまに買ってくれるん?」
「いいよ、ぼくお金持ってるから」
そう言って廉太郎は、ポケモンボールの中身を確かめた。270円
お菓子売り場で「どれ?」と聞かれてわたしはセボンスターを指差
「ああ、これか!」
と言って廉太郎はじっくりと値段を見た。
「えーと、150円。150円なら、買えるな。よかったー!
「ちょっと待って。これ、中身何なんだろう? どのネックレスが入ってんのかな?」
わたしはあまりに久しぶりにセボンスターを手に取ったので戸惑っていた。細長い六角形の筒状の箱をためつすがめつし、中に何が入っているのかを知ろうとした。
「あれ、これ、中に何が入っているのかわからんのやな。えーもう、どれにしたらいいんかな?」
「ゆっくり考えていいから! ぼくもそういうときすごく悩む方だか
わたしは思わず笑ってしまう。この子は、ものを買うときの高揚や喜びを
廉太郎は、わたしがやっと選び取ったセボンスターをレジに持っていき、ポケモンボールから
家に帰って、さっそく箱を開けてみた。廉太郎が「早く早く」と言い、保育園から帰ってきた朔太郎が「さくも、さくもー」と言う。三人で覗き込むと、果たして箱の中には、ハート型のかわいいネックレスが入っていた
「見て、かわいい!」
そう言うと廉太郎が、「ほんまや、すげえ、キラキラしてる!」と言った。「おかあさん、キラキラしてるの欲しがってたもんな」と。
「買ってくれてありがとう、大事にする」
お礼を言うと、廉太郎がうなずいて、「いつもお世話してくれてるからさ」と言
スーパーで欲しいものを買ってもらうなんて、本当にいつぶりだろう。買ってほしいものを買ってもらうのはとても嬉しいことなんだな
初めて廉太郎が買ってくれたネックレスは、キラキラしていてとて