2016.1.27
夜の選び方
マスター、バーボンをロックで。
できることなら、このフレーズを気負わず言えるようになりたい
と、だいたいの男性が思っている。
その前には夜更けのバーに一人で入るというハードルがあるわけだけど、
バーの敷居にもいろいろある。
その最高峰としては、ホテルのスカイラウンジ出身で、長身、オールバック、白シャツにジレというバーテン服を着こなした男性がやっていて、
場所としては見つけにくい地下への入り口があって、看板も看板かどうか怪しくて、秘密の組織とかが頭巾を被って活動してるんじゃないかと不安になる感じ。
一般的な店構えとしてはよくないけど、常連の紹介だけで数珠繋ぎ的に客は入りいつも繁盛している。当然、中は超清潔。
マスターは風貌や店構えとは反対に全ての客を受け入れる器の大きさを感じさせる。そもそも常連が連れてくる人を選んでいるので、煩わしい客がいないのだけど。
そんなバーで
マスター、バーボンをロックで。
といいたいのだ。
もしくは、
いつもの。
そんな夢を見ていたあの頃のぼくはもういないとは言わないけど、
そもそも常連にぼくを選んで連れてってもらえる気がしない。
じゃあどんなバーなら、、
というか、どんなバーボンならロックで飲めるのか。
そもそもバーボンでいいのか。
いろいろな疑念がわいてくる。
ぼくの最も好きな映画は10年以上不動のままアニー・ホールで、幾度となく見ているのだけど、
冒頭のモノローグで自分の人生観を語っている。
ぼくを会員にするようなクラブには入りたくない
いや、入りたいですよ。
でも、入れてくれないクラブのことを夢見ながら生きていたいし、もしその場に行けるならどんな感じか妄想したっていいじゃないですか。
だから、
今回の選曲はそんなバーをやっているぼくが店で流したい曲です。
かなり背伸びしながらって感じになりました。
ぼく長身じゃないんで。
お後がよろしいようで(言いたいフレーズ)
- No.1
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ホーハイ節/仙波清彦とはにわオールスターズ
オープニングから度肝を抜く青森民謡。めちゃくちゃ夜の雰囲気があってかっこいい。
- No.2
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Sugar Water/Cibo Matto
ハイハットが鳴りつづけることでグルーブとトリップ感が生まれる気がする。コーラスも相まって。
- No.3
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Peace and Magic/Lucky Tapes
今夜最もポップな曲を。前曲からのハイハットのつながりでもある。ベースとホーンで夜を華やかに。
- No.4
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1つの魔法 (終わりのない愛しさを与え)/小沢健二
魔法つながり。Ecrecticはオザケンのなかでも夜の要素が強い。ceroもカバーしてるけど、原曲の方が好きかな。
- No.5
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Mid Night Panic/PSYCHOGEM
パニックってほどではなくて、ピクニックぽい。Flangerが永久にかかっていて悪酔いしそうになる。それも夜っぽい。
- No.6
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氷雨月のスケッチ/Sons Of (片寄明人 & John McEntire)
はっぴいえんどトリビュートアルバムより。原曲は聴いたことがないが、これはめちゃくちゃかっこいい。
- No.7
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Misty/松田聖子
雨が霧に変わり、もやがかった繁華街で目の前に現れたのは松田聖子だとしたら、、かなり怖いな。
- No.8
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Samba Do Mar/Dusko Goykovich
夜の店でかかっていてほしい曲を選んでいるのだけど、ドイツのジャズレーベル”enja”から1曲。
- No.9
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Say It Ain't So/toe
イントロのギターにドラムがまざるところでやられたって何回でもなる。このバンドがいうIt comes suddenly.は意味深だよね。
- No.10
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Time Files/cro-magnon Feat. Steve Spacek
細かくて手数の多いドラム、シンバル多めが好き。FeaturingのSteve Spacekをもうすこし聞いてみたい。
- No.11
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星降る夜に (instrumental)/EVISBEATS
夜関連の選曲にはついつい入れたくなってしまうほど奇麗な星空とベースライン。
- No.12
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Lemon Heart/ZAZEN BOYS
レモンハートという曲名だけで。ラムの銘柄のようですが、何方かと言えばバーの名前の影響。
- No.13
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Do We We a/Yeye
イントロからAメロにかけてのかっこよさ、破壊的な前曲からのつながりのよさ。最後のリバーブ感。夜、夜。
- No.14
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モナリザ/GREAT 3
はじめて聞いたGREAT3はこのアルバムで、なんでもっと早く聞いてなかったんだって思ったよ。