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俺のFavoriteTunes

どもんらんってどんな人?

音楽が生活をスムーズにしてくれる。
皿洗いや月曜日の出勤だってきっとスムーズにしてくれる。
芸能人と結婚したら「会社員の一般男性」と紹介される俺が、生活の様々なシーンに合わせて選んだお気に入りの曲をコンピレーションアルバムとして紹介します。
普段は一人称「俺」ではないし、芸能人と結婚する予定もないですが。

やま

やま

他人から薦められるものについて、だいたい斜に構えて見ている。
でもとかだってとか、何かにつけて否定するか、ああそれねって感じで別に知ってましたけど今更ですかって反応しちゃうタイプだ。
あまりいいやつではないことは百も承知しているけど、


そうなんだ〜!

 

って感じでそれに飛びつこうにも、そういうやつ感が邪魔して、本気で言っても嘘臭いというどうにも困ったレッテルを自ら進んで重ねて貼ってきてしまった。

しかし、山はいい。

そんなことは言われつづけてきたことで、目新しさの欠片もない。
ポパイやアンアン、ペンだって特集をくんでいる。たぶん。
さして斬新な切り口があるわけでもないが、山がいいことに変わりはない。
変わらないんだもの、山は。

去年の年末、山はいいよ〜、
と友人に山に誘われたけど、
「岳」や「生徒諸君!」(注 庄司陽子作のマンガ。主人公グループの1人、沖田が冬の登山事故で亡くなるというストーリーが含まれる)を読んでいたぼくには冬の山に登る勇気がなくて、暖かくなってからがいいとやんわり断った。
あとなぜだか毎日新聞社写真部が出しているエベレストの写真集を持っていて、
その中に含まれている登山日誌にも何人か亡くなった記載がさもありなんと並べられていたこともトラウマになっている。

それでも山については少なからず心惹かれるところがあったのだと思う。

思い返せば、まだ口を大きく開けて校歌を歌っていた頃、み〜どりやさしいお〜ばんや〜ま〜と声を張り上げていたし、

学校が終わると実際にその山に登って秘密基地なんて作ってたわけで、
(中学校は特に記憶がなくて)、
高校に入れば住んでいる地域のせいで”山人(ヤマジン)”と一括りにされて、数年に一度はバス登校出来ないほど山道に雪がつもり、転ばないようにヒゲダンスみたいな手でバランスとってよちよちと登校する日があったり、

春には今や誰も登らないであろう霊峰(よくない意味で)灰ヶ峰にエンジ色のジャージで遠足もしたわけで、

そりゃ山も脳裏に焼きつくよ!となった。


そして暖かくなりすぎない3月下旬頃、

去年誘ってもらった友人と飲む機会があったので、そろそろいい時機ですねと声をかけた。

山への憧れは本心だったのである。

次の休みは二日とも山に登るとのことだった。

山はいいよ〜といわれても二日ともは厳しい。

もししんどくても翌日が休みの1日目に混ぜてもらうことにした。

 

行ったのは四国の石鎚山という、西日本最高峰だった。(山についてから看板で知った)

先ほど山にまつわる思い出を語ったとはいえ、登山初体験者にいきなりかと思った。

有り難かったのは半分くらいはロープウェーで一気に登れたことだが、

もぎりのお姉さんは、まだ雪が残っているからアイゼン(注 後付けのスパイク、車でいうチェーンのような登山用品)が必要だと言っていた。

春とはいえ標高の高いところの空気はひんやりと冷たく、日が当たりにくい影の部分には雪が残っていた。

残っていたという言い方では足りないほど積もっていたし、たくさんの登山者に踏まれることでアイスバーンのようになっていた。

 

僕は沖田のことを考えておそろしくなった。

 

大学生じゃないんだからと(注 沖田が事故に遭ったのは大学2年生のときだった)、無茶をしてケガでもしてはいけないと引き返すことを提案した。

登り始めて数十メートルといったところだったと思う。

結論からいうとそのあたりで下山する人とすれ違いまだ行けるということになったので、ぼくはかなり小心者扱いをされた。

とはいえ、本当に雪で転びそうになる場面もあったし、油断してつるっと道を外れたらかなりの高さから転がり落ちるのは本当だ。

足下に注意を払いながら歩くと余計に疲れる。

途中の休憩では友人が用意していたスープを飲んだり、おにぎりを食べたりして、山の醍醐味も体験した。

そして、中腹の開けたあたりからまわりの風景を眺め、かなり雪が積もったこの先の道を前にして下山することにした。

写真はそのとき撮ったものだ。

下山後は宿場町の温泉に入り、ぼくは運転しないのでビールを一本いただいた。

 

山、温泉、ビールはいいよ〜と言える。今なら。

 

山に登ってみて自分はなんて素直じゃないヤツなんだと気付いた結果、自分を見つめ直すみたいな文章になってしまった。

他人から薦められることを積極的に受け容れた方が人生楽しいことが待っているんだなと。

 

それにしても、
他人から薦められることを受け容れないぼくが、こうやって皆さんに音楽を薦めているんだから、変な話だ。

今回の選曲はこれまでと比べても特にいいと自信を持って言えるのでぜひ聞いてみてほしい。

 

”やま”はいいよ〜。

No.1
箕面/白い汽笛

箕面という地名が山を連想させます。小倉さんの声は山のさわやかさを表してくれます。

No.2
空中セーフ/neco眠る

大阪つながりで、neco眠る。Biomanは登山もする人なので。

No.3
ピクニックには早すぎる/Flipper's Guitar

海へ行くつもりじゃなかったから、山にきました。

No.4
山の方から来てくれればいいのに/片想い

直球の山song。好きすぎていっそ山の方からきてくれればいいのにってことだけど、山の方から来ましたっていう詐欺を思いつきました。

No.5
Make a Rainbow/Benny Sings

洋楽をあまり聞かないので、誰かからもらったコンピとかに入ってるんだと思うけど、特に後半からcero感が半端なく、声も似てる。

No.6
マウンテン・マウンテン/cero

山をテーマにする瞬間に決まっていたうちの1曲。ライブで聞きたい。

No.7
箱根にしようか/杏窪彌(アンアミン)

箱根には行ったことないけど、駅伝や弱虫ペダルの印象で温泉より山って感じ。ギターがさわやか。

No.8
SUMMERS/アナ

前奏が山の涼しさというか少し寒いくらいの空気と似ていて緊張感がある。ドラムが鳴り出してからはちょっとハイな気分。

No.9
ワンダーフォーゲル/くるり

アナから引き続き、往年の山登り4つ打ちダンスミュージック。こんなにもすれ違ってそれぞれに歩いていく。

No.10
It's Not So Hard/NRBQ

山の牧歌的な雰囲気再び。英語の歌詞の意味はわかってないけど、タイトル的にはいいこと言ってそうです。

No.11
Mountain Boys/Alfred Beach Sandal

山をなめるな、そこは常に危険と隣り合わせ。ほんと油断したら転ぶ。

No.12
虹の午後に/サニーデイ・サービス

サニーデイの曲はきらきらしていて外にでかけたくなる気がする。

No.13
Sugar Town/Zooey Deschanel

かわいらしい雰囲気の田舎っぽさ。それでも歌詞はわからない。

No.14
Sunrise & Sunset/andymori

日の出前に出発して、帰りは夜。楽しい山登りを。

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