2018.11.18
カルチャーイズア(ラ)イ(ブ)
朝ドラの面白さが爆発的に加速していると思う。というか、ぼくはこういう展開がとても好きだ。
「こういう展開」というのは、なにかを作り上げていくスイッチが入り、ガチャガチャとピースがはまっていくような感覚を味わえるもの。
しかも足りなかったピースがふとした瞬間に発見されるような劇的なものも好きだし、そこにハマるための努力が明かされるのも好きだ。
この先のことはわからないが、世良さんから掘り出し物のある物件を紹介され、神戸(かんべ)君と出会い、これから塩を作っていくわけだが、特に塩を作る環境が出来上がっていく様にすごくワクワクする。
朝ドラには割とありがちなことかもしれない。
そよ風の扇風機、寄席、ひとつ飛ばして、子供服ブランド、暮しの手帖、、、
ひよっこは普通の女の子の話に少しサスペンス(実の失踪、記憶喪失)の要素が絡んだもので、少し違う。
これを書いている途中で、ヒロインの福子さんがワクワクすると言った。
何かがものすごい勢いで出来上がっていく様を横でみるのはワクワクするし、脳内でアドレナリン的なものが出ると思う。
この何かが出来上がっていく展開にぼくが最もワクワクしたのが二ノ宮知子『天才ファミリー・カンパニー』だ。
ここでもヒロインは(芸術家志望だったため、はじめはものづくりをしない主人公をさげすんでいたが)会社が出来ていく様をみて衝撃を受けている。
そもそもは銀座のアトリエを守るためにお金を作るというのがきっかけなのだけど、そこからぐいぐいと絡み、解けていく物語は途中で読むのを止めることを許してくれない。
というような展開の朝ドラの怒涛のサクセスストーリーを、当然波はあるが、楽しみにして毎日を生きている。
朝ドラというのは大衆的でひどくポピュラーなものであり、カルチャーと呼べるのか、というのが疑問であったが、先日飲みの席で話に出てきた「カルチャーは愛」という言葉がすべてを解決してくれた。
ぼくが「カルチャー」と呼びたいものは、どれだけ有名で大衆的でもそれに対しての愛情が深いかどうかということ、別の言い方をすれば、対象について角度を変えて物事を捉え、焦点をより細かく合わせていく作業を怠っていないということ、さらに言えば自分自身のこだわりを持ってそれに臨んでいるということ、そういうことができてればなんでも良いのだ。
逆にマニアックで近寄り難いものであっても、薄っぺらい知識と他人の受け売りの批評しかなければ、ぼくの思うカルチャーとはかけ離れている。
そして、前回、生活に追われて興味が萎れていると文化に対して書いたが、そう、今、愛が足りなかったのか、と腑に落ちた。
愛があれば(カルチャーは)大丈夫。
カルチャーは愛があれば生きていけるのだ。
この気付きを与えてくれたのはREADAN DEATの清政さんで、広島のカルチャーを牽引していると言っても過言ではない人物だと思っている。
だからと言ってとっつきにくいということはなく、普通の好青年らしさが全面に出ている素晴らしい人だ、と改めて感じたのだった。(表面には出ていないが、心根には批評やカウンター精神を抱えていることに間違いないが)
自分の中のカルチャーらしいところを刺激してもらえるのではと目論んで、飲みに誘ってみたらあっさり来てくれたことには大変感謝している。
もう少し愛のあるものを探して次の記事にしてみようと思う。家族以外に。
曲は最近かっこよかった曲を中心に聴き心地を考えて選びました。文化的です。
- No.1
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O.K./CRCK/LCKS
- No.2
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つれてってよ/lyrical school
- No.3
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Lonely Lonely feat. Chara/LUCKY TAPES
- No.4
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On your side/ぺトロールズ
- No.5
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SKIN/TENDRE
- No.6
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パスワード feat. 長岡亮介/冨田ラボ
- No.7
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Small Things/WONK
- No.8
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ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ/安藤裕子
- No.9
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Friends, Aren't We?/BONNIE PINK
- No.10
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死にませんが?/坂本慎太郎
- No.11
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ルージュの伝言/松任谷由実
- No.12
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忘れないように (Album mix)/くるり
- No.13
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そんなことがすてきです/大橋トリオ