2019.7.27
俺fav運営者の孤独。
この『俺fav』という企画について僕は計り知れぬ愛を以って臨み、約4年にわたり続けてきた。
愛するがあまり、一時は一人称を俺にしようかとも悩んだことはない。
けど、開始当初の隔週という約束こそ守れていないが(そもそももう月刊に書き直すべきだし、プロフィールも開始当時の年齢で、今や既婚で1人の息子を持つ父になった)、少なくとも月一更新を心がけている。
そのこと自体が愛なんだ。
ただ、これは僕だけのための企画であるべきではないとずっと考えている。
「カレー二百景」という開始5回目のテーマですでに書いているが、誰にでも好みの味があり、家庭の味があり、こだわりの食べ方がある「カレー」は「音楽」にも読み換えられるわけで、“俺”favは、“僕”fav であり、“私”favでも“あたし”favでもあるべきで、カレーというフォーマットのように『俺fav』をフォーマットとしても共有すべきなのだ。
それを前々から訴え続けているつもりだったが、やっと土門蘭が重い腰を上げてくれた。
彼女が「先輩の頼みは聞かねば」というくらいには僕は先輩らしく生きているのである。
とはいえ、僕も休まず続けるつもりなので、テーマを揃えようと提案し、アイデアを出してもらった。それは来月にわかるので、ここでは書かないでおく。
これは俺fav新時代を切り開くための突破口である。
ここ最近、もっぱらの悩みは、選曲のマンネリ化だった。自身の所有する音楽データで、という縛りでやっていることもあり、偏りが出ているし、近しいテーマの時に以前選んだことのある曲を無意識に入れてしまっていることが増えた。好きな曲だもの、当然である。
実際、気付かずにかぶっている曲をこの間発見した。
幅広いジャンルの音楽を聴こうと思いながらも、「30過ぎると新しい音楽を聴かなくなる」という噂がツイッター等でささやかれている。
特に、がっつり仕事をしていると知らない音楽に出会うことが難しくなっていくという。
知ってるアーティストやバンドの新しい曲ではなく、まったく未知の存在をどのアンテナで捉えていくか。
日夜音楽雑誌を読み尽くし、ウェブを徘徊するなんて、お客さま、上司、部下の間で消耗していく暮らしの中では、いくら音楽に、俺favに、音読編集部に愛や感謝があってもしんどいのです。
そこで、俺favという手頃な媒体があり、多くの人に新しい曲、または魅力に気づいていなかった曲を発見してもらうスペースになればと思う。
そこは今僕という一人の人間がアンテナを立て続けて電波を受信し、蓄積してきたわけですが、
まったく新しい人がアンテナを立てていけばより素敵なスペースになるのではないかということなのです。
一本でもいいし、たくさん立ててくれてもいい。
ということで、
次回の更新は、俺fav史上初、僕以外による更新となる。
5回目というかなり早い段階で構想していたことがやっと叶うということに若干興奮している。
孤独に耐えながら、コツコツと続けてきた甲斐があったというもの。
しかも、『経営者の孤独。』というインタビュー本が各所で話題で、僕の憧れで、尊敬する書き手である土門蘭によってという。
期待して待ちましょう。待ってます。
なお、今回、タイトルをパクった『経営者の孤独。』と今回の更新には一切関係ありません。
今、気になった人から順に2名分くらい読みましたが、いいインタビューでしたよ。(上から)
(インタビュイー側のPRではない、インタビュアーとの対話により何かが生まれる感覚があるやりとりだったんじゃないかと。)
曲は後日!
(8月6日追加)
大変遅くなりましたが、選曲追加しました。
文中で触れましたが、新しい音楽との出会いが難しくなっていく中で、
俺favを始めてから出会った曲から選びました。
今後も出会っていきたいものですし、出会ってもらえたら嬉しいです。
- No.1
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冥想/尾崎亜美
- No.2
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Magic Waves/リアムMAZE1981
- No.3
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くだらないこと/CICADA
- No.4
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Wonder/ADOY
- No.5
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Shower/CRCK/LCKS
- No.6
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UFO (Cockpit Love)/ザ・おめでたズ
- No.7
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ROM「かすみ罫線」/CASIOトルコ温泉
- No.8
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One Bad Habit/マイケル・フランクス
- No.9
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リンゴ/井上陽水
- No.10
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Orange Mug/WONK