第8週 Every Time the Sun Comes Up / Sharon Van Etten2016.9.24
東京は随分と涼しくなりました。月が綺麗に出ている日は、空を見上げながら帰るのが好きです。
秋は良いなあ、一番好きな季節です。
私事ですが、先週の3連休と有給を使用して、北海道に帰省していました。
高校時代に所属していた吹奏楽部の創部20周年記念式典があり、
こんな機会もそう無いだろうと思い、行ってきました。
久々に会う顧問や友達、先輩や後輩と喋って懐かしい気持ちに。
中高6年間の相棒だったホルン、高校を卒業して6年が経過しましたが
やっぱり愛おしいです。生きている内にまた吹きたい。
部活に明け暮れていたあの頃は大変だったけど、振り返ってみたら良いものですね。
実はこの帰省前に、心に重いダメージを受ける出来事があって
もう二度と東京に戻りたくないと思っていました。
でも仕事をしている限り、甘いことは言ってられないし、そんなわけにはいかない。
どうやったら元気になれるか分からず、古本屋に行って、
杉山平一さんの詩集を買い、ひたすら読んで心を紛らわす日々でした。
時折、「これはどういう意味なんだろう?」と思う詩もあるけれど、
全てを肯定してくれる気がして、この本を読んでいる時だけは楽になれた。
『希望』という詩の中の最後の一文に〈負けるな〉という言葉があり、それを見た瞬間に号泣。
今も完全に元気かと言われたら、そうではないです。
でも少しずつ、自分が元どおりになれたらいいなぁと思います。
なんだか暗い話をしてしまいました・・・!
元気なんですけど、どこか取り繕っている自分がいます。
24にもなって、なんだか情けないですねー。
さて、そんな私が今週よく再生した楽曲を紹介して終わります。
私は、Sharon Van EttenというアメリカのSSWが大好きです。
特に、2014年にリリースした『Are We There』というアルバムが好きで
いまだによく再生しています。
そのアルバムの最後に「Every Time the Sun Comes Up」という曲が収録されていて、
最近はこればっかり聴いていました。
この曲の中にある一節の和訳ですが、〈日が昇るたびに 私はトラブルに巻き込まれる〉という詞があって。
悲しみのあとに、必ずしも希望がやってくるとは限らない。ちょっと良いことがあっても、その途端にまた嫌なことが襲ってきたりする。この詞は生きることを現実的に捉えていて、すごく響きます。
「なんでなの?!」と、悲しみと怒りが混ざった感情になったとき、いつもこの歌を思い出す。
生きることって、プラスとマイナスが常にリレーをしているみたいです。
シャロンの歌声はエモーショナルな部分もあるし、どこか冷静で達観しているように聞こえる時もある。
女性の力強さ、といったらありがちかもしれないですが、シャロンにはそれをすごく感じます。
今の季節に似合う作品かもしれないです。文化の秋を味わう(?)1枚にぜひ。
text:宮井真実子(マミタス)