第27週 Tracey Thorn / Simply Couldn’t Care2017.2.5
友人が最近転職して遠距離恋愛になり「毎日が職場と家の往復で(さみしい)」とか言い出して、なんだこいつ今さら、と思いました。こちとら毎日淀んだ足取りで職場と家を絶賛往復中です。どうも船田です。
わたしの部屋、通称”まんげつルーム”(丸い照明を選んでくれた友人命名)にて、電球色にしていた部屋のあかりを「昼白色相当」のものに変えようとAMAZONで注文したにも関わらず いろんな台やら椅子やらを使っても天井に手が届かなくて、さっき突然ひとりが寂しくなりました。電球を自分で替えられなくてさみしくなるなんてよくある話ですね。
さて、今週は昔働いていた喫茶店でよくかけていたTracey Thornのソロアルバム「A Distant Shore」より一曲選びました。Everything But the Girlも好きで、Ben Wattのソロもききますが、一番きいているのがこのアルバムです。シンプルなギターと低い歌声が映えて、寒い時期に特にききたくなります。暖かさと暗さが同居しているみたいな歌声が羨ましくて、気持ちいい。そんな風に感じる女性アーティストは数名います。Nico、Joni Mitchell、Tracey Thornなど。女性だから自然とより親密な気持ちになって自分と重ねるからなのか、その時の自分の感情を増幅させて耳からじっくり浸るみたいな聴き方をすることが多いです。
英詞だとどうしても言葉の意味や曲の要旨がわからず、曲調とたまに理解できるフレーズから自分なりに勝手に解釈して、雰囲気で曲を聴いていることが多いです。たまに気が向いて調べてみたりして、何十回も聞いていたのにそういう曲だったのか、と初めて理解したり。というと、詞なのに、詩みたいな向き合い方をしているんだなと思います。
話はさらにずれますが、わたしは言葉が好きです。言葉は絶対じゃなくて本来ぼんやりしている。仕事では絶対に許されないけど、本質としてはこういうやわらかい向き合い方をしても許されていいはずで、安心して勝手なことがしたい。例えば「昼白色相当」ってなんかいいなって感じたんです。夜でも昼みたいな部屋になるかなと。日当たりがそんなによくなくて、電球色の今は昼でも夕方みたいな明るさで休日をすごしていたので。
さて、電球の色を変えようと思ったのは最近わたしのなかで心機一転を狙っているからです。春から新しい環境になるので、今からそれを踏まえてお高めのビジネス手帳を衝動買いしてみたり、爪に色を塗ってみたり、そしてそれが剥がれたりしてます。引越しも視野に入れています。西荻窪とか住みたい。でも自分のまんげつルームだけはすごく気に入っていて、わたしが選んだわたしのお気に入りは自分だけの兵隊で、その無機質な兵隊さんに毎日囲まれてボディガードしてもらっている。
というわけで、隣駅のIKEAにて脚立かそれに準じるものを買いにいってメランコリー解消します。「昼白色相当」の船田まで人生規模だと秒読み。
text:船田 かおり