今でもよく覚えているのは、

観客の中でひとりスポットライトを浴びている女性の姿。

 

「あれは耳の聞こえない人のために、ライブを手話で伝えているんだよ」

と先輩に言われて、

「ああ、ライブを手話で伝えるのか」

と、言葉をそのまま飲み込んでいました。

 

その日のThe Strokesのライブは素晴らしくて、その場にいた3万人の聴衆の熱気も相まって、人生の中でも忘れられないライブになりました。

 

今思うと、それは不思議な言葉で、その言葉を疑問も持たず、すんなり受け入れられていた自分にも驚きで。そういった小さな不思議や驚きがたくさん巻き起こっていたSXSWにいたら、ひとつひとつのことに驚いている余裕もないし全て受け入れられたのも納得できます。

 

 

自分の知らない言葉が飛び交い、

見たこともないような光景が広がっていたSXSW。

音が聞こえなくても、音楽を感じることができることを知った、SXSW。

 

そんなSXSWに、3/11から行ってきます。実に6年ぶりの渡米なので、今とてもそわそわしています。

 

 

今回SXSWに行くにあたり、自分で運営しているサイトで取材申請をしました。英語で書いた取材プランにはなぜSXSWを取材したいのかという思いをしたためました。

私が知らなかった世界を教えてくれたSXSWを取材することは、自分で運営しているサイトの目標でしたし、私の大好きなイベントを、周りの人に伝えることがここ数年の私の願いでもありました。

 

つたない英語で作った取材プランが通ったことは、自分への自信にも繋がりました。

 

 

今年のSXSWでどんな発見ができるか、自分自身でも楽しみです。

 

 

今週の一曲は、私が2011年にSXSWで見たThe Strokesの一曲。

動画の右端に手話をしている女性が映っていますので、ぜひ注目してみてください。

 

 

 

text：岡安いつ美