第70週 歌う明るさ軽さ | Hummingbird / Wilco2018.10.1
ついに30歳になった。助走(※)のおかげで現在はそれほどショックを受けずに済んでいる。※28歳くらいから「私はもう30です」といい始めていた。
この私が30歳になったこと なってしまったこと について、いろいろと思うところがある。
ベタやけど中高生時代の同級生のタイムラインとかみてたりすると、ギャップに胸が痛い。
切り替わりタイミング(誕生日)あたりはとにかく平常心を心がけていたけど、なんとなくこんな感じで生きていていいのか心細い気持ちになった。
とはいえありがたいことに、最近知り合ったかっこいい女の人(アラフォー)とちょうど開催していたSweet Dreams Pressのイベントで柿ピー食べつつチューハイのんでたり 愛すべき友人(アラフォー)宅でケーキでお祝いしてもらったこともあり、30代楽しいよって結局引っ張って行ってもらう構図で憧れたままの感じで生きていけそう。
とはいえこんなに、歳をとってもほぼ変わらないなんて。友人の定義によると “実年齢と精神年齢の乖離” が「こじらせている状態」とのことで、このままではめでたく毎年こじらせが加速していく構図になっている。
最近はというと2月に千葉から東京に引っ越してきて格段に交通の弁がよくなり動きやすくなった。この夏もとにかく新しい人とたくさん会ったし出かけたし富士山登頂したし楽しかった。相変わらずアホみたいに予定を突っ込みながら夏の間中突然blink182とかグッドシャーロットとかsyrup16gとか聴きまくって抵抗していたけど30歳になった途端に毎日Wilcoばっか聞いている。なんかほっとするし謎に無敵な気分になる。という訳で中でも好きなこの曲を選んでみました。
「
Remember to remember me
Standing still in your past
Floating fast like a hummingbird
」
わたしも、わたしのことを覚えていてほしい人とかがいるのでしょうか。実際に覚えていてもらえるのかどうかは私の範疇でなく相手の範疇でしょうが、Remember to remember meと勝手に歌うことはできる。歌は勝手に歌えるし声を出せば運動にもなるし自分の気持ちも混ぜて乗せて空気を震わせていけてすごいな。
ということでちょっと感傷的な歌詞なんやけども、軽やかで美しくて明るい曲。
悩んでいる時や迷っている時や悲しんでいる時ややさぐれいている時の自分には、軽やかさや明るさが必要であること、可能であることを思い出させてくれるのはいつでも音楽で、音楽がなかったら生きていけないけど音楽はなくならないからじゃあ生きていけるってことかな。
text:船田かおり